◎ 編 集 後 記 ◎
いつも『教化情報』を御愛読頂きありがとうございます。努力の甲斐あって発行予定の約一ヶ月遅れですが、十二号をお届けすることができました。なによりも石川教張先生の今回の現代語訳は「開宗会回向文」でしたから、七五〇年目の立教開宗会に間に合ってホッとしたところです。宗門でも開宗会回向文を配付しておりますが、ぜひ石川先生の現代語訳も参照して頂き、七五〇年御正當の御法要をお勤めいただければと思います。
開宗七五〇年もありますが、今号のメインはなんといっても桐谷征一先生の「いま大曼荼羅の世界を考える」となりました。この御講義を内部研修会で頂いた時はもう2年近く前で、たしか四時間を越えての大講義をしていただきました。多くの図版をお持ち頂き、図像的に曼陀羅一般の変遷をたどり説明いただいた後、宗祖の大曼荼羅の文字曼荼羅としての特殊性とその意義、ならびに全ての大曼荼羅の詳細な解析に立った説明をして頂いたのです。図版を縦横に使っての御講義でしたので、その後のテープ起しは図版の説明部分がなかなかうまくまとまらず、一年ほど後に大幅に編集した原稿を先生にお見せしたのですが、やはり正確に伝えるには書き加えようもなかったため、なんと今回ぜんぶ書き直して小冊子が一冊できる文量の書下ろし原稿を頂いたのです! 有難い!の一言に尽きます。こちらの身勝手も批難なさらず、より困難なお仕事でお応え頂き下さり、ほんとうに有り難うございました。その内容も圧巻で、先生の御研究をもって図像学的な視点も入った総合的な大曼荼羅本尊研究がスタートするのではないかと思われます。
また、小向宣生師が今もっとも知りたい昨年の同時多発テロ事件後の米国宗教事情をレポートしてくれました。日本での報道・出版物からは知りがたいアメリカの実情が伝わってきます。世界に12億人、米国には600万から700万人もいるイスラム教徒(その半分はアフリカ系アメリカ人、つまり奴隷としてつれて来られた人々の子孫です)にとっては、「文明の衝突」などと言う単純な図式は実に腹立たしいものだったと思います。星条旗が一斉にはためいて戦時体勢に入ったようにみえたアメリカでしたが、あのテロもアフガン攻撃も「戦争」と呼ぶべきではないでしょう。その縮図のように激化したイスラエル・パレスチナ紛争が「戦争」とは呼べないようにアメリカもイスラエルも、何故かくも絶望的なテロが生れるのか、その因果を見なければ、小向師のいうように、爆撃機でもミサイルでもテロ行為は絶対になくならないのです。
この9・11以降の問題は、来る6月5日に予定されている東京西部管区教師研修会で取り上げる予定です。講師は、現在『寺門興隆』にこの問題を連載されている中堂幸政先生です。お問合せはセンター事務局まで御連絡下さい。また、二回続けて特集した摂折論争ですが、今回はその経過報告です。重要な論争なので今後も逐次報告していきます。新連載で「現代教学への検証」も始まりました。今号はメンバー多忙のため連載が幾つか落ちましたが、メンバーの岩本泰寛師のお嬢さんが書評を寄稿してくれたこともあって書評欄は充実しました。次号から読者欄も作りますので、どうぞ御寄稿・御意見をお気軽にお寄せ下さい。お待ちしております。次号は七月下旬です。
(光)
| 教化情報 第12号 |
| 発行日 | 2002年4月28日 |
| 発行数 | 1000部 |
| 発行人 | 小高 悠紀 |
| | 〒181-0002 東京都三鷹市牟礼 2-2-17(真福寺内) |
| | 電話 0422(43)8460 FAX 0422(48)2785 |
|
| 発 行 | 日蓮宗東京西部教化センター(事務局) |
| | 〒192-0051 東京都八王子市元本郷町 1-1-9(善龍寺内) |
| | 電話 0426-22-4338 FAX 0426-27-7227 | |
|
|