教化情報も今号で11号となります。おかげさまで事務局に購読の問い合わせが増えているようです。11号ということは1号の「発刊の挨拶」を別にして九つも駄文を公表してしまった事になります。そう思って1号から今読み返してみると、自分で納得できる文章はほんの1つか2つ、よく恥ずかしげもなく公表してしまったナアと思っているしだいです。それでもこの「あんらじゅ」は巻頭言とは言え、頭休め、情報誌における4コマ漫画のようなものと勝手に割り切って、今号では「決まり文句」を。
「本日は雨のため傘の忘れ物が多くなっております。お降りの際はお忘れになりませんようご注意下さい」。いつも耳にする車内のアナウンスですが、先日は新聞も週刊誌も持っていなかったせいか、ついしっかりと耳に残ってしまいこだわってしまいました。つまり雨の日に傘の忘れ物が多いのは当たり前で、晴れた日には傘など持たないわけですから。「本日は晴れております。傘の忘れ物はありません。注意は必要ありません」と晴れた日にはアナウンスするのか、などとくだらない言いがかりを頭の中で考えてしまいました。決まり文句というか、マニュアルどおりの車内アナウンスに文句をつけても始まりません。それでもアナウンスのおかげで傘を忘れずにすむ人が何人かはいるのかしらと思ってしまいます。ほとんどの人はアナウンスなど聞いてなさそうですから。
「いらっしゃいませ、こんにちは」。コンビニやファミレスでの決まり文句。若くてきれいな声で言われるとやはり気分はよくなります。しかしよく考えてみると何か変。お客様が着ました。普通の挨拶ですと「こんにちは、よくいらっしゃいました」続いて「どうぞおとおり下さい」というのが正しい順序だと思うのですが。お店の慣用句「いらっしゃいませ」に無理やり「こんにちは」という挨拶を付けたせいで、順序が逆転したのではと思いますが。
火葬場での話。「きれいなお骨ですね、それに量も多いですね。この骨壷は一番大きい壷です。それに入りきらない位ですから」と職員が言います。参列者一同、納得した顔でうなずいています。私としては「おじさん、いつも同じセリフを言ってますね」と言いたくなりますが。それでも遺族にとっては、荼毘に付された遺骨を前にして職員のこうした言葉を聞くと癒されるのでしょう。ありがたい決まり文句ということでしょうか。ただ昨年私の母が亡くなりましたが、「喪主様」、と言われたので衣姿の私が進み出ると、いつもとうとうと話をする職員の口がこもりがちでした。やりにくかったでしょうね、気持ちはお察しします、ということでしょうか。
パソコンで「ゴゼン」と入力してみます。最初が「午前」、次が「ご膳」、「御前」は4番目でした。実はお会式の施本で校正ミスが有り(何度もチェックしたのですが)、「妙一尼御前」が「妙一尼御膳」になってしまいました。昔のように写植印刷でしたら多分ありえないミスだと思います。「ゴゼン」といえば午前か、ご膳、御膳。パソコンではそうなってしまうのでしょう。自分の構成ミスを棚に上げてパソコンに八つ当たり。
「今宗門では、立教開宗七五〇年に向けて」。そう「七五〇」がいわば今の我々の決まり文句。でももうすぐ平成十四年。どなたかその後の決まり文句を考えてみませんか。
小高 悠紀