◎ 編 集 後 記 ◎
立教開宗七五〇年まで残すところ二年間をきって、各教区や管区で行なわれた趣向を凝らしての大会行事の様子が日蓮宗新聞に報じられております。立教開宗とは、まさしく一宗が立てられ活動していく初めの始まりであって、一宗の存在する根拠もまた立教開宗に求めることが出来ます。いわば日蓮聖人の聖意を再確認し、初心に戻り、再スタートを行なう絶好の機会といえます。東京西部教化センターでも「誓願」のテーマをめぐって、日蓮聖人の教えと日蓮宗の現在[いま]を捉え直そう、という意欲はあるのですが、なかなかこの『教化情報』の発行と同じく、遅れがちです。定期購読をお申し込みの方々にはご迷惑をおかけしました。お詫び申します。それでも、といって良いか躊躇しますが、遅れた分だけ開催された講習会などのレポートが多くなりました。
特に「今、創価学会を問う」というテーマで開催された京浜教研に関しては、参加した久古教保師(新宿・常泉寺住職)から「宗教と政治の関連について」の論考をご寄稿頂き、宗教と政治に関わる問題点を幅広く多面的に論じていただきました。言論・出版妨害事件では政教分離を公約した学会ですが、今では久古師のいう「政教分離なんのその」の態度で、新潟の白川勝彦氏の落選にみられるように批判者を徹底的に攻撃しています。
日本国憲法における政教分離原則の規定とは、「国およびその機関は、宗教教育その他いかなる宗教活動もしてはならない」(二〇条三項)、「公金その他の公の財産は、宗教上の組織もしくは団体の使用、便益もしくは維持のため‥‥これを支出し、叉はその利用に供してはならない」(八九条前段)、「いかなる宗教団体も国から特権を受け、叉は政治上の権力を行使してはならない」(二〇条一項後段)というもので、国家権力と宗教団体活動との分離、癒着の禁止を義務づけています。この規定は、国家権力も宗教活動に関与せず、宗教団体も国家権力に関与せず、という双方からの癒着の禁止で、信教の自由が侵害されないための条件でもあります。
この規定は、もちろん宗教者や宗教団体が攻治的活動をすることを禁じているわけではなく、あくまで権力関係の問題なのです。政教分離が成立した近代ヨーロッパは、それ以前は宗教権力が攻治を支配する世界でした。宗教権力が政治権力に関与することを禁じたことで近代国家の歴史が始まったのです。ですから公明党が創価学会と一体のまま政権党となって政治権力の座にいれば、明らかに「いかなる宗教団体も国から特権を受け、叉は政治上の権力を行使してはならない」という憲法規定に違反していることになります。このことは近代国家の枠組みにいる以上は、厳守されるべき規定です。
ただ、十三世紀の日蓮聖人の時代ならば神政政治もありえたのでしょうが、近代では『立正安国論』を神政政治の文脈で読み取って実行することはできません。その意味でも、北川前肇先生の講演「『立正安国論』を読む」は、多くの示唆を与えてくれます。この転換期に『立正安国論』をどう読み、どう立てるかが、立教開宗七五〇以降を拓いていくことと思います。
また、小向宣生師には前号に統けて米国宗教事情「米国の死刑制度」を連載いただきました。オウム事件も含めてまるで安易に殺人が行なわれる現状で、この米国のプラグマティズムを感じさせる情況レポートは、いろいろ考えさせられます。
本号は、センター員の休載が目立ちますが、転換の時期かもしれません。次号には一同、心機一転して新企画も考えていきたいと思います。
(光)
| 教化情報 第9号 |
| 発行日 | 2000年8月25日 |
| 発行数 | 700部 |
| 発行人 | 小高 悠紀 |
| | 〒181-0002 東京都三鷹市牟礼 2-2-17(真福寺内) |
| | 電話 0422(43)8460 FAX 0422(48)2785 |
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| 発 行 | 日蓮宗東京西部教化センター(事務局) |
| | 〒192-0051 東京都八王子市元本郷町 1-1-9(善龍寺内) |
| | 電話 0426-22-4338 FAX 0426-27-7227 | |
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