日蓮宗 現代宗教研究所
Nichiren Buddhism Modern Religious Institute
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 教化学研究

    自自公政権をあやつる創価学会

乙  骨  正  生   
 (フリー・ジャーナリスト)   

 講演を始める前に、ただいまご紹介のありましたプロフィールに、少し自己紹介を加えさせていただきたいと思います。私は昭和三十年十二月一日に、東京都下東村山市に生まれました。私が三歳になったときに、両親が創価学会に入信をするということで、自動的に創価学会の会員にさせられました。ちょうど私が中学に上がるときに、創価学会が、自前の初めての傘下学校法人である創価学園(創価中学・高校)を設立したものですから、受験したところたまたま合格し、一期生となりましたので、以後、池田大作氏の薫陶、指導を受ける機会を得ることになりました。
 その後、創価大学法学部に進学したのですが、その過程で、創価学会内部で喧伝されている池田大作氏のカリスマ化された虚像(例えば、世界最高の仏法指導者であるとか、現代の御本仏であるというような)と自分の目の前で展開される人間池田大作氏の素顔、あるいは外部である社会一般に対して説明される創価学会の主張、例えば政教分離問題に対する見解と、創価学会内部での説明や活動実態、組織実態との乖離等について疑問をもつようになりました。
 ですから創価大学進学後は、大学内部でいわゆる民主化運動のようなことをしていたのですが、昭和五十三年に日蓮正宗との第一次の対立抗争が惹起し、創価学会なかんづく池田大作氏の正宗教義からの逸脱や社会的不正行為などが次々に明らかになったことから、在学中でしたが、創価学会を脱会。脱会後は、創価学会という特殊な世界の体験を踏まえて、この特殊な世界の論理や活動が社会にどのような影響を与えているかを検証、分析した上で、そこには創価学会と公明党の政教一致問題をはじめ、言論出版妨害事件や盗聴事件に象徴されるようなさまざまな問題が内包されていることから、これを批判的な見地から検証する立場で言論活動を展開してみたいと思うようになり、在学中から週刊誌あるいは月刊誌の仕事に関わるようになり、卒業後、ジャーナリズムの世界で本格的に活動をしてきた次第でございます。
  私は、例えば大阪の石油卸売り商の泉井氏の巨額な政界工作についての疑惑事件や、許永中事件など、さまざまな政界にまつわる事件の取材も行っているのですが、御承知のように創価学会・公明党が政界で大きな影響力を持ち、いまや政権の一部にまでなっているものですから、マスコミ界からの創価学会問題についてのニーズが多く、仕事の大半を創価学会問題に割いているのが実状です。
 それだけに創価学会からは、蛇蠍のごとく嫌われており、ブラックジャーナリスト、売文屋、ウソつきライター、デッチ上ライターなどと、それこそ激しい罵詈雑言、誹謗中傷を浴びせられております。
 今回は、現代宗教研究所からの御依頼でしたが、これまでにも日蓮宗の皆さまには、何度か話をさせていただいており、以前、たしか平成八年にも、東京五反田のゆうぽーとで、あれは東京の南部宗務所でございましたでしょうか、主宰の研究講演会で昨年亡くなられた内藤国夫さんとともに話をさせていただいたことがございました。
 そのときにも、創価学会・公明党の政権参画の野望について、当時、公明党は新進党という形で、政権奪還を企図しておりましたが、非常に危険であるという話をさせていただきました。それが四年たって、いま再び、彼らがまさに本来の公明党という宗教政党に先祖返りをした上で、自民党と本格的な連立を組むという事態に立ち至ったということに、私は、大変忸怩たる思いと申しましょうか、残念な思いをいだいております。
 皆さん、すでにご承知のとおり、先般は二月六日に大阪で府知事選挙、京都で市長選が行われました。大阪府知事選挙では、自・自・公・民が推薦をした太田房江さんという通産官僚出身の女性が当選をなさいました。また京都の市長選挙では、ご承知のように現職の市長であった枡本頼兼さんという方が、これも自・自・公が押したわけですが、再選を果たしたわけです。
 しかし、今回の選挙は地方選挙ではありましたが、その大きな争点の一つは自・自・公連立政権の是非でありました。皆さんもご承知のとおり、昨年十月に国政で自・自・公連立政権が誕生し、その自・自・公三党が、この一月の通常国会の冒頭に、三党の連立を維持するための大きな条件である、衆議院比例区定数の二十削減を強行するという挙に出たのです。冒頭ですからろくな審議もありません。したがって民主・共産・社民の三党が反発して、国会が空転するという事態に立ち至りました。
 この一事にも象徴されるように、自・自・公連立体制というのは、衆議院で三百三十議席を超える数の力を頼んだ強権政治なのです。この政治が是なのか、あるいは否なのかということが、昨今の日本の政治上の一大問題となっているわけですが、今回の大阪の府知事選と京都市長選です。ここに『第三文明』という実質、創価学会直営の出版社が出している雑誌がありますが、そこに「反仏法、反人間の邪教、滅びゆく日顕宗」との記事があります。今日お配りした中に、「なぜ日顕宗と戦うのか」というレジュメがあると思います。見出しに「学会指導より」「なぜ日顕宗と戦うのか」などとありますが、そこに「日顕十の大罪」というのがあります。彼らは日顕宗を撲滅しようとしているわけですが、その理由として日顕宗には十の大罪があるというのです。これは去年の七月の幹部会で秋谷会長が発表したものですが、そこに「大聖人否定・仏法破壊の大罪」という項目がある。その六番目を見て下さい。「謗法容認・身延迎合の大罪」とありますが、そこにはこう書かれている。
  日顕は宗開両祖の根本精神である謗法厳誡を教導すべき立場にありながら、禅寺に自らの先祖の墓を建て、大石寺周辺の檀信徒の謗法逸脱を放置。あろうことか身延に迎合、先師の事跡をことごとく否定して破壊、自ら大石寺を京都の既成仏教伽藍に造り替えた大謗法の法主である。
 また、「身延日蓮宗との野合」との項では、
  日顕は大聖人、日興上人に師敵対した身延日蓮宗に急接近。身延派坊主が次々に大石寺を訪れており、平成七年六月には池上本門寺の貫首一行が大石寺を訪問。日顕宗側も末寺坊主、法華講の柳沢委員長らが身延派の寺を参詣する蜜月ぶり。
 とあります。彼らは自分達の信教の自由は声高に主張します。創価学会にさまざまな違法行為や不法行為があるから、池田さんに国会で話を聞こうじゃないかとなると、「国家権力による宗教弾圧だ、信教の自由の侵害だ」と大騒ぎです。ところが、日顕宗は撲滅するというのです。日蓮正宗の信仰は認めず潰すというのです。撲滅というのですから地球上から抹殺するということでしょう。その撲滅の理由の一つが、今お見せしたとおり「身延迎合の大罪」です。
 ですから、創価学会にとって当面の最大の敵は、日蓮正宗ですが、決して日蓮宗のことを友好団体だとは思っているわけではない。むしろ日蓮宗は仲良くしただけで撲滅する理由の一つにあげられるほどの対象だということです。
 こうした極めて独善的で排他的な創価学会が、日顕宗撲滅のために何をやったかというと、創価学会は日蓮正宗のイメージを地に落としめるためにいろんな策略をしたわけですが、その謀略の一つがピンクスキャンダルの捏造、芸者スキャンダル写真の捏造ということです。
 問題となった写真は、日顕さんが、日蓮正宗の老僧の古稀記念の宴会に出席をした時の写真です。十一人の僧侶と八人の奥さんが同伴で出席しており、その姿が写っている。ところが創価学会は、その時写された写真にトリックを加え、あたかも日顕さんが一人で芸者遊びをしているかのように捏造し、機関誌の『創価新報』に「日顕が欲すは『カネ・酒・色の堕落道』」と誹謗中傷したのです。ところが本当の写真は、お手元に配った資料の「真正写真」と書いてあるところに出ているように、日顕さんと芸者さんがいますが、その脇にお坊さんがいるわけです。ところが『創価新報』の写真では、お坊さんを消しちゃっている。日顕さん一人が、いかにも芸者遊びしているように写真を捏造したのです。
 同じく次の写真を見て下さい。周りに他のお坊さんたちがいて、芸者さんと写真を撮っているのが本当の写真です。それを周りを切って、日顕さん一人が芸者さんに囲まれているようにして、「えっ、これじゃ日顕堕落宗、猊座がなくても『芸座』があるサ」とこう書いています。このようにトリック、写真を捏造して、「日顕っていうのはとんでもない坊主だ」と攻撃しているんです。
 当然、日蓮正宗では名誉毀損だということで告訴しました。この判決が昨年末に出たのです。お手元に判決文があると思いますが、これを読んでいただくとおわかりだと思いますが、東京地方裁判所も、これはあまりにもひどいということで、創価学会と、創価学会ばかりじゃなくて、こういうことをやらせた池田さんにも不法行為の責任があるとして、四百万円の損害賠償を認めたのです。創価学会ならびに北條浩四代会長に対しては、例えば共産党の宮本委員長宅に盗聴機を仕掛けたいわゆる盗聴事件の民事訴訟で、創価学会ならびに北條会長に対し、違法行為に基づく損害賠償の支払いを認めた判決が出ていますが、池田さんに対して不法行為責任が認められたのは、今回が初めてです。
 ところが、裁判所が不法行為の責任があるとして、損害賠償を認めた人に対して、いま全国各地の地方自治体が感謝状を出し手いるんです。日本は実に異常な状態になっているということが、このことからもお分かりいただけると思います。
 創価学会では全国の支部、地区、ブロックに日顕撲滅対策委員会なるものをを作らせています。支部というのは約二百世帯、地区というのは先ほどご紹介したように約五十世帯、ブロックとは約五世帯単位の末端組織です。そこに「日顕撲滅対策委員会」なるものを作らせ、全幹部、活動家一丸となっての徹底的な日蓮正宗攻撃をやらせています。例えば、平成五年に出された指示文書には次のようにあります。
  日顕宗は、今、御本尊授与(破門を受けて創価学会が、自前の本尊を作成し、会員に販売していること)によって決定的な打撃を受けており、断末魔のあがきをさまざまにしようとしている。(中略)日顕撲滅の最大のチャンスが来た。日顕撲滅なくして「創価ルネサンス勝利の年(平成五年)」の決着はなく、「栄光の年(平成六年)」の幕開けはない。11・18(創価学会創立記念日)をこの戦いに勝利して迎えよう。
 では、具体的にはどのような活動を行なうのかというと、大阪府東住吉区の創価学会組織東住吉東本部が、区内の日蓮正宗寺院法住寺を攻撃するために作成した、「『勇気のエンジン』大作戦大綱」と題する行動マニュアルがあります。ちなみに、この「『勇気のエンジン』大作戦」という名称と、サブタイトルの「御供養泥棒、漆畑行雄、その袈裟をはぎ返せ」とのテーマは、関西代表者会議での池田さんのスピーチに基づいてつけられたものです。
  『勇気のエンジン』大作戦大綱
   テーマ 御供養泥棒 漆畑行雄、その袈裟をはぎ返せ!
 目的 @極悪日顕の手先、法住寺の漆畑行雄の悪業を白日の元に晒し糾弾する。
    A会員を悪の手先から守り抜き、断じて『寺に行かない・行かせない』
 ・活動について
  2/4『追放大会』参加者が『【元初の同志】グループ』として、誓いを立て、今までのビクトリー活動を発展させ、以下の活動を展開する。
  D作戦チーム(CUTされたら取り返す。脱会者・法華講にアタックする脱講チーム)
  特別個人指導班
   ・A班(葬儀・法要・墓・納骨の問題等に回答できるスペシャリスト。別名、メモリアルチーム)
   ・B班(宗門問題解説班、寺信心の色のついた人の脱色作業を行なう。※廃案になった名称、ハイターチーム)
   ・C班(主に怨嫉問題等で活動しなくなった人へ手をさしのべられるチーム。別名、人間復興・ルネサンスチーム)
  FOCUSチーム(漆畑行雄、女房、所化の悪業を暴くネタ取材班)
  賢者の利剣チーム(ミニコミ誌・仮称『利剣』を新たに編集発行する)
  特攻野郎Sチーム(男子部の特殊潜行活動班。別名、鉄砲玉)
  ワイフ・キャッチャーチーム(女房を徹底糾弾する、婦人部の追っかけチーム)
  四条金吾チーム(壮年部の特別抗議行動チーム。別名893部隊)
  十羅刹女チーム(婦人部の電話抗議行動チーム。別名、極道の妻たち)
  ネットワークチーム(寺周辺地域包囲対策作戦、略称、ネット)
  パトリオットミサイルチーム(今だに来る寺からの郵便物の回収作業班)
  ナポレオングループ(前進を合言葉に、不可能を可能にする唱題会の参加者。※廃案になった名称、わら人形グループ)
  広布の使者チーム(聖教新聞、創価新報を内部未講読世帯に推進する)
 以上、本部・支部・地区のビクトリー責任者が核となって行動します」
「893(ヤクザ=注筆者)部隊」に「鉄砲玉」「極道の妻」と、およそ宗教団体とは思えないネーミングをつけた特殊グループが編成され、寺院、僧侶やその家族に徹底した攻撃を加えているんです。
 また、ここに日顕撲滅唱題表という唱題表があります。これは日顕さんの顔をモチーフにして作られています。顔を枡目にしてあるのです。そこにこう書かれています。
  一枡二十分です。塗り潰す色は黒がいいでしょう。百万遍あげれば日顕は真っ黒になり消えてなくなります。憎しみをこめて塗り潰しましょう。
 日顕宗を撲滅するために題目をあげろ。一枡二十分で題目をあげていき、百万遍になると塗り潰せて消える。憎悪を込めて黒く塗りつぶせと煽っているんです。これが日蓮聖人の法華経信仰に基づく宗教団体といえるでしょうか。同じお題目をあげているといいながら、その内実は、憎悪、怨念の題目となっている。これが創価学会の実態なのです。それが外に向かっては、私たちは人権です、平和です、文化ですなどといって、政権の一翼を占めているばかりか、参議院、地方議会でキャスティングボートを握り、地方自治体から感謝状まで貰っているんです。
 そうした創価学会の排他独善的体質。全体主義的体質は、元公明党委員長竹入義勝氏に対する攻撃にも端的に表れています。『聖教新聞』一面のコラム「寸鉄」にはこんな文字が連日踊っています。
  「党と学会の間で立ち回った竹入は、欺瞞の天才。でも政治は凡才。女房は悪妻」。
  「仏勅の学会を乗っ取る泥棒竹入、その毒蛇の正体を見たり」
  「日顕・山友・竹入は点と線で繋がっていた。この忘恩と反逆の畜生共よ」
  「竹入の天才的大ウソ、一つひとつバレる。この悪らつな化け物」
 人権も名誉もあったものじゃない。もうめちゃくちゃです。そうした創価学会の体質をよく示す竹入バッシング発言があります。平成十年十月二十九日に行われた創価学会の婦人部幹部会での高柳洋子全国婦人部長の発言です。これには創価学会の体質が本当によく示されているのでご紹介したいと思います。
  さて、思えば狂乱の日顕宗は、七年前の十一月七日、理不尽にも学会に解散勧告書なるものを、そして十一月二十八日に破門通告書を送りつけてきました。笑止千万の出来事でした。日顕宗と訣別して七年、御書に仏法勝負のリズムとして、「百日、一年、三年、七年の内に」とある通り、正本尊を解体し始めて百日もたたないうちに、破門七年で、日顕は自身の体の解体工事も進み、仏罰、厳罰で入院。「提婆は全身に阿鼻の炎」あるごとく、阿部日顕ならぬ阿鼻日顕となりました。もう長くはないと、日顕を見限った坊主たちが、愚かにも醜い跡目争いの猊座レース、自滅の道をまっしぐらです。
   今というときは本当に凄いときです。二十一世紀を目前に、日顕、山崎正友そして権力の魔性に魅入られた悪鬼入其身の竹入義勝まで出てきた。年末に大掃除をしないと年が変わらないのと同じように、二十一世紀を前に三提婆の大掃除です。今世紀で決着をつけ、創価の世紀を開くときです。
   それにしても竹入義勝という男、純粋な支持者の心を踏みにじり、利用し、甘い汁を知って姿をくらます。そして出てきたと思ったら、裏切る。恩を仇で返す不知恩の輩。「大衆の中で死んでいく」というのではなく、豪邸の中で、汚れた宝石と金にまみれて死んでいくというのか。女房の悪さも、これまた日顕の女房・イメルダマサ子(日顕さんの奥さんは政子さんといって、これを創価学会ではフィリピンのマルコス大統領の夫人であるイメルダさんの名を冠してイメルダマサ子などと蔑称していると瓜二つ。しかし魔を魔と見破れば勝利、仮面を剥いで正体見たりとしていけば勝っていけるのです。
   岩手県からの報告では、竹入の女房喜久は、岩手県北上市の出身、一族全員が脱会して、悪の糾弾を今回進めていくうちに、いろいろな証言が出てきました。日顕宗の闘いでこの北上市は岩手の中で一番早く脱会者が激しく動いたところです。特にその首謀者が竹入喜久の兄と妹の二人でした。何とその二人を陰でそそのかしていたのは、竹入の女房喜久その人だったのです。悪の兄・妹と思っていたのが、その奥の奥に本物の悪、夜叉がいたとの怒りです。
   仏法は勝負。兄は、一族とそこに関わる人たちを脱会させました。しかし厳罰で平成七年、癌でその病院始まって以来の断末魔の阿鼻叫喚の叫び、呻きの中で死亡。さらに妹も平成九年、癌でもだえ苦しみながら死亡。またついこの今月二十五日には、兄にそそのかされて脱会した花巻の法応寺の元講頭が、また同じく癌で死亡したとの報告がありました。(中略)
   悪い女房にふりまわされて悪事をはたらく愚かな義勝、私たちはこの大うそつき夫婦を軽蔑し、笑いとばしながらて進んでいきたいと思いますが、皆さんいかがでしょうか(大拍手)。
 このテープを聞き、私はさっそく竹入喜久さんの親族に確認を取りました。また、「その病院始まって以来の断末魔の阿鼻叫喚」というので、病院関係者にも確認しました。すると、確かに竹入さんの奥さんのお兄さんも妹さんも癌で亡くなっていましたが、別に、「断末魔の阿鼻叫喚の叫び、うめきの中で、もだえ苦しみながら死亡」したわけではなく、普通に亡くなったそうです。
 それを創価学会婦人部のトップである高柳婦人部長は、悪し様に罵ってはばからない。この婦人部幹部会は衛星放送で全国の学会の会館に流され、何十万人という婦人部員が見ています。
 創価学会は自らを日蓮大聖人直結の仏意仏勅の団体だとか、慈悲に基づいた宗教団体、あるいは人権・平和を尊ぶ教団だと称していますが、はたしてこれで慈悲を説き、人を救う宗教者、宗教団体と言えるんでしょうか。私は宗教者という前に、まず人間として問題があるんじゃないかと思います。
 こうした体質を持つ創価学会が、いよいよ「正法大興隆の時」であり、敵対者・批判者を撲滅しろと言っているのです。
 その創価学会は、いま、二つの戦略で日本を席巻しようとしています。一つは、先ほど来申し上げているような、公明党の議席を伸ばしていくという戦略。最初は国会で多数を占めて単独政権を取るという考え方でした。それと同時に地方政界でも単独で与党を占めていくという考え方をもっていたのですが、昭和四十五年に問題となった言論出版妨害事件以来、創価学会・公明党に対する批判が高まり、単独政権の樹立は事実上、無理となったことから、戦術を議会でのキャスティングボートを把握しての連立へと変更しました。
 先ほども話しましたが、平成八年の総選挙を前に彼らは新進党を作りました。これは公明党単独では政権はとれない。小選挙区という新しい選挙制度の中で、公明党は単独では勝つことが難しい。そこで新進党という大きな寄り合い所帯を作って票を獲得し、自民党に代わる政権を作っていく、そしてその中核を公明党が占めるという戦略を立てたわけです。
 自民党に勝つためには学会員以外の票をいかに獲得するか。浮動票をいかに多く取るかというのが問題になります。そのために創価学会は何をしたかというと、教義を変えたわけです。従来、創価学会は自ら以外のすべての宗教を、邪宗、邪教と呼び、排斥してきました。私もよく言われました。「神社の鳥居はくぐっちゃいけない」「邪宗の寺に行ってはいけないよ」と。ですから創価中学では修学旅行も京都・奈良には行きません。普通、東京の中学校は京都・奈良に行くのですが、邪宗の寺に行ってはいけないというので、我々は東北周遊でした。もちろん御輿なんか担ぐのはとんでもないと言われていたのです。
 ところが、新進党になって、外部の票をとらなければいけないとなり、どううしたかというと、「もうお祭りは町の習俗ですからかまいません」となった。ですから平成八年の衆議院選挙で、東京十五区から出馬した黒柳明さん、この人は参議院東京地方区で五期連続当選していた、参議院公明党の顔ともいうべき人でしたが、彼が出馬しました。すでに引退していたのですが、この選挙区には柿沢弘二さんという、この前の都知事選挙に出馬し、石原さんに破れた方が出馬していたことから、急遽、立候補したのです。というのも柿沢さんは、平成六年の羽田政権時に外務大臣のポストを餌にされて自民党を離党し、新生党に入党、羽田内閣で外務大臣になりました。ところが、羽田内閣が崩壊し、新進党が結党される段になるや、家族の創価学会への入会を強要されたとして、創価学会を批判して、いち早く自民党に出戻ってしまったんです。
 これには創価学会・公明党は頭に来たんですね。そこで柿沢を落とせということで、引退していた黒柳さんを担ぎだしたんです。知名度のない候補では勝てない、黒柳さんなら知名度はあるので勝てるかもしれないということで、いわば廃物利用です。そこで黒柳さんは何をしたかというと、江東区を地盤とする東京十五区には、深川の富岡八幡宮というのがあるのです。そこで、黒柳さんは「わっしょい、わっしょい」と、富岡八幡宮のお御輿を担いだのです。その模様はTBSのニュースでも大きく流れました。
 要するに、票を取るためならお御輿を担いでいいのです。そしてこれまでは入会の際に、謗法払いといって仏壇や神棚、位牌などをすべて処分していたのですが、これももうやる必要ないと発表しました。
 しかもその理由を創価学会はどう説明しているかというと、こう言ってるんですね。これまで、他宗のことを邪宗・邪教と呼び、祭りにも参加しない、謗法払いをして神棚や先祖の仏壇を焼いたりしてきたのは、全部、日蓮正宗という石頭の教義に拘泥されていたからでございます。我々はもともとそんなつもりはありませんでした。しかし日蓮正宗がそうだからやむをえなかったのです。これからは人類の共存と平和・環境問題のために、他宗とも仲良く手を繋いでいく所存でありますのでよろしくお願いいたします、と。
 表ではそううまいことを言い、仲良くしましょう、協調しましょうなどと言ってるんですが、実は、一皮剥くと先ほどご紹介したように、「謗法の身延迎合の大罪」と、組織内部では言っている。表と裏、建て前と本音がまったく違うのです。
 にもかかわらず、例えば東洋哲学研究所とか、あるいは創価大学の研究機関、さらには創価学会には『潮』とか『第三文明』というような直営の出版社があります。また、学術部とか文芸部とかという学者や文化人を統轄、懐柔する組織など、さまざまな特殊組織があります。そういう機関や組織をフル稼働させて、宗教学者を懐柔しシンパにして、宗教者のシンポジウムを企画したり、研究会や講演会を開催するなど、あるいは原稿執筆を依頼するなど、さまざまな形で他の宗教団体や宗教者、その中には日蓮宗の関係者も含まれているわけですが、懐柔の手を伸ばしているんです。
 その結果、宗教学者や宗教社会学者といわれる人々の多くが、創価学会のシンパとなっている。そして、それらの人々とつながりの深い宗教者の中には、創価学会の一方的なプロパガンダにのせられ、実態を知らないままに、「創価学会も以前とは変わった」とか「それほど危険ではなくなってきている」などと言う人も出てきているのが現状です。
 こうした手法で自分たちと対立、敵対する勢力をなるべく軟化させていき、外堀を埋めるとともに、票獲得につなげていく、こういう作戦をとっているわけです。いわば宗教界の懐柔と票獲得という両面作戦ですが、こうした作戦に象徴されるように、公明党の議席を伸長させ、政界のヘゲモニーを手中に収めるというのが一つの柱です。
 そしてもう一つが、今申し上げたこととも関連するのですが、「総体革命戦略」というものです。これは私も創価学園、創価大学在学中に池田さんの口から直接、何度も「天下取り」ということを聞かされました。
 我々は天下を取るのだ、天下を取っていくのだ、そのためにはおまえたちは勉強しろ、と我々は何度も言われました。おまえたちが勉強して、司法試験に合格して、裁判官、検察官、弁護士、あるいは国家公務員試験に受かって、外務省、通産省、大蔵省、いろんなところに入っていかないといけない。また、経済界、マスコミ界、その他さまざまな社会の枢要な部署を学会員で占めていき、世間があっと驚いたときが「広宣流布」なんだというんです。
 この「総体革命」戦略に関して、池田さんはこんな話もしていました。創価学会というのは「王仏冥合・広宣流布」を目指す団体なんだと。もちろんこの「王仏冥合・広宣流布」というのは、池田流の「王仏冥合・広宣流布」すなわち「天下取り」ということです。実態は先ほど申しあげたように「私が日本の国主であり、大統領であり、精神界の王者である」という体制を作りたいということです。要するに、創価学会というのは、池田さんの野望である「天下取り」を果たすための革命集団なんです。しかしそれらを露骨に表に出てしまえば世間は警戒をする。だから文化、平和、教育などでカムフラージュ、表面をデコレーションしていく。内部は戦艦なんだが、外部をカムフラージュして豪華客船に見せていく。それが大事なんだと、こう説明していました。
 こうした戦略に基づいて、創価学会には学生部という、大学生を統轄する組織があります。そこに昭和四十年代にすでに、司法試験、国家公務員上級職試験(当時)、外交官試験(当時)、公認会計士試験を受ける優秀な学生部員を徹底して指導・訓練する「法学委員会」という特別組織を作っています。
 また、創価大学には、「国家試験研究室」が設けられ、やはり司法試験や公認会計士試験その他を受ける学生を特訓しています。ここにはマスコミに食い込むためのセクションもある。
 ところで、創価学会の組織というのは、年齢階層別に、壮年部、婦人部、男子部、女子部、それから学生部、高等部、中等部、少年・少女部という形になっています。そして地域組織としては、先ほど申し上げたようにブロック、地区、支部、本部、区・圏、県、方面というようになっていますが、それ以外にも教育部(教員)、ドクター部(医者)、学術部(学者・研究者)、芸術部(芸能人・美術関係)、社会部(会社単位)、団地部、農村部など、さまざまな組織が設けられています。
 また、例えば検事、学会員の検察官を集めた会は「自然友の会」と呼ばれていました。弁護士だけを集めた会は「旭日グループ」。あるいは外務省には在外公館の現地採用職員を含まると三百人以上の学会員がいるといわれていますが、これは「大鳳会」という組織で統轄している。先日まで外務省の海外文化交流部長という、日本と海外各国との文化交流を担当する最高責任者は、創価学会のエリートである榎泰邦さんでした。いまは中近東・アフリカ局長です。創価学会や創価大学が海外諸国で文化交流をすることが容易なのもうなずける話です。
 先ほど来、話の出ている東京富士美術館が、スペインで「日本美術の名宝展」というのを、ホアンマーチ財団というスペインの財団と組んで開いたことがありました。私は、その取材を現地に赴いて行いましたが、そのおぜん立てをやっていたのは、在マドリッド日本大使館の文化担当書記官でした。この人はむろん学会員です。それがスペイン外務省と交渉して、東京富士美術館の展覧会のお膳立てをしていたのです。
 憲法十五条は、すべての公務員は国民の奉仕者であって、特定の奉仕者ではないと規定しています。特定の人物や団体に利益を与える奉仕者ではないと書かれているのですが、学会員の公務員はダブルスタンダード。国家、国民よりも創価学会なかんづく池田さんの利益を優先させているという重大な疑惑があります。
 私は、過去に、外務省が池田さんに特別通関の便宜を図っていた事実や、学会員外交官が立場上、知り得たヴァチカンについての情報を、創価学会に報告書として挙げている事実などを週刊誌で取り上げたことがありますが、そうした事例の右代表が、現在、公明党代表の神崎武法さんが関わったとされる学会員検事による宮本共産党委員長宅盗聴事件の証拠隠滅工作への関与です。
 昭和四十五年、創価学会が藤原弘達さんの「創価学会を斬る」という著作に対し、出版妨害行為を行なったことが発覚。国会で大問題になり、共産党にガンガン責められました。その際、創価学会内部には、共産党に対する憎悪が高まり、共産党に対する仇討ちが計画された。その結果、創価学会に顧問弁護士の山崎正友氏を中心とする盗聴部隊が設けられ、宮本盗聴事件を起こしたのです。当時の共産党の書記長だった宮本顕治氏の自宅に盗聴器をしかけて情報をとったのです。
 ところが盗聴は共産党側の知る所となり、学会側はあわてて撤収、証拠湮滅をはかります。その証拠湮滅工作を、山崎弁護士が当時現職の検察官だった神崎さん、それから今学会の副会長をやっている福島啓充さん、それからもう一人、会田さんという三人の検察官に相談したというのです。神崎さんは否定していますが、山崎さんは後に宮本氏が起こした盗聴事件についての損害賠償請求訴訟の法廷で、はっきり相談したと述べており、東京地裁、東京高裁は、創価学会の組織的犯行であると断定。この判決は確定しています。
 この盗聴事件は、昭和五十五年に山崎弁護士が創価学会から造反したことによって明るみに出ました。それで共産党・宮本氏が、刑事的には時効となっていましたので、民事の損害賠償請求で訴えました。その結果、東京地裁、東京高裁は、盗聴事件は、後の北條四代会長をはじめとする創価学会の最高首脳の承認のもと、創価学会が組織的に行ったゆゆしき犯罪であると認定し、損害賠償の支払いを認めました。
 ところが学会はちっとも謝らないんです。高裁判決を不服として最高裁に上告しましたが、週刊誌の動かなくなった年末にこっそり取り下げています。そして判決が確定するや、賠償金だけは宮本氏の口座に振り込んできました。ところが、今日に至るまで創価学会は、宮本さんならびに共産党にただの一言も謝っていません。むしろ、地裁、高裁で「組織的犯行」と認定されているにもかかわらず、いまだに山崎が勝手にやったことで、学会は正義だなどと開き直っています。その盗聴事件に神崎さんをはじめとする学会員の検察官が関わっている疑惑があるんです。
 この点に関連して、平成五年に神崎さんが郵政大臣に就任したことをちょっと申し述べたいと思います。ご承知のように郵政大臣とは、電波通信を管理する所管大臣です。いわば盗聴などを防止する立場の親玉です。その郵政大臣に盗聴事件への関与が取りざたされている神崎さんが就任したのです。学会の関係者の話によると、神崎さんが郵政大臣に就任した時、池田さんは、これで盗聴事件の仇をとったと言ったと伝えられています。
 神崎さんは検察官に任官する直前に、「いざ鎌倉の精神で」と題する決意文を書き、自分は検察庁に行くが、あくまで本籍は学会本部職員のつもりである。創価学会に、ひとたび事ある時は、いざ鎌倉の精神で池田先生のもとに馳せ参じる旨、記しています。そうした神崎さんを池田さんも非常に期待しており、ある懇親の席では、神崎さんに「君は、将来検事総長になれるか? なれるなら僕が祈ってあげよう」と発言するほどでした。ところが盗聴事件の発覚によって神崎さんは検察官を辞めざるをえなくなり、検事総長への道は閉ざされた。すると池田さんは、「検事総長はだめになったな。それなら俺が法務大臣にしてやる」といって、神崎さんを盗聴事件が起こったときに赴任していた小倉地検のある福岡、創価学会の勢力が強く公明党がつねに当選する北九州に落下傘候補としておろして、代議士にしたのです。
 盗聴事件への関与を疑われて、検察官を辞めざるをえなかった人間を、わざわざ電波通信法を所管する郵政大臣に据え、「仇を討った」という感覚。まさに国政、内閣を私物化しているとしかいいようがありません。
 こうした事実に象徴されるように、裁判官、検察官、外務省のみならず、ありとあらゆる部署で学会員がポジションを占めていくというのが総体革命戦略です。全国の地方自治体の職員や教員には、それこそ数万から数十万の学会員がいます。
 私は「旭日グループ」という学会の弁護士グループに所属している人に話を聞いたところ、そうだな、学会員の弁護士は千人ぐらいかな、検察官は百から二百人ぐらい、裁判官も百人はいるだろうということでした。
 私は学会員の職業選択の自由を制限したり、宗教に基づく職業差別を行えといっているんではありません。むしろ、学会員の基本的人権を守るためにも、創価学会は覇権主義的で排他独善的な体質を改めるべきであり、そうした改善がなされない場合、国民一般の人権や生活を守るために、公的立場にある学会員の動静を監視せざるを得なくなるということを申しあげているのです。
 というのも、私は出身地である東京の東村山で起こった一つの事件の取材を通じて、大きな危機感を抱いているからです。
 平成七年夏に、東村山市で朝木明代さんという創価学会と激しく対立していた市会議員が不可解な転落死を遂げるという事件が起こりました。朝木さんは、二期連続トップ当選をする、東村山市では抜群の人気をもった市会議員でした。もともと朝木さんは、創価学会とはまったく関係がありません。むしろ、ご主人は臨済宗の東村山では古刹のお寺の次男であり、お寺の嫁であることから、創価学会とはもっとも縁遠い存在でした。
 ところが朝木さんは政治活動、議会活動を続けていく中で、公明党の欺瞞的な体質、創価学会と公明党の政教一致体質に気づき、公明党と議会で対立するようになっていきます。
 そうした過程で、創価学会と日蓮正宗との対立抗争が生じ、創価学会が脱会者に対して組織的な嫌がらせやいじめを行っていることを知るようになります。例えば脱会した学会員が激しい学会からの攻撃を受け、市の法律相談に人権相談に行くわけです。ところが、人権相談に行った内容が創価学会に流れて、さらにいじめられるというようなことが起こってきた。市役所の中に学会員がいて、組織に情報を流すからなんです。そうしたことの相談が朝木さんに持ち込まれるところとなり、これは大変な事態だということで、朝木さんは創価学会問題に首を突っ込むようになっていくのです。
 その朝木さんが平成七年の九月一日に東村山駅前の雑居ビルから不可解な転落死をします。この事件にはきわめて複雑な経緯と背景があります。私は朝木さんの事件を取材した「怪死」(教育資料出版会)という本を上梓しております。また、「怪死」上梓後の経過についても「公明党=創価学会の野望」(かもがわ出版)という本の中で触れていますので、興味があれば読んでいただければと思います。
 とにかく平成七年の九月一日に朝木さんは不可解な死を遂げる。いったいその死は、他殺なのか、自殺なのか、あるいは事故死なのかということで、大きな騒ぎになりました。
 実は、私は、朝木さんが亡くなられた当日、朝木さんと一緒に高知に講演に行く予定となっていました。ですから、その数日前にも電話で「高知には楽しく行きましょうね」と話していたのです。しかも、朝木さんは、死にいたる直前まで、自らが主催する「草の根」の事務所で講演用の原稿をワープロで打っていたことが判っています。それがなぜか行方不明になり、東村山駅前のビルから落ちている。靴がない、鍵がない、最期となった電話の声を、声紋鑑定にかけたところ、生命に危険の及ぶ危険性を感じている極度の緊張状態にあることなどが判りました。とにかく、極めて異常な事件だということで、マスコミも大きく取り上げたわけですが、この事件は、警視庁東村山署と、東京地検八王子支部が担当しました。
 東村山署の副署長は、事件発生当初からマスコミに対して「自殺、自殺」と、事件は自殺だと強調していました。私も取材しましたが、「これは自殺なんだ」と得々と話していました。ところが、マスコミの取材陣が、独自の取材の結果、捜査が極めてずさんであることをはじめ、不可解、不審な点が多々あることを指摘しはじめると、「捜査妨害」だとして『週刊文春』『週刊新潮』『週刊ポスト』『週刊現代』『週刊実話』『日刊ゲンダイ』『夕刊フジ』等の取材を拒否。その一方で、自殺説を鼓吹する創価学会の直営企業の潮出版社が発行する雑誌『潮』の取材にだけは応じていたのです。
 ご承知のように公明党は都議会のキャスティングボートを握っており、警視庁の予算、人事は、公明党の了承を得なければ一つも都議会を通らないのです。ですから、警視庁は公明党・創価学会に頭がまったくあがらない。先に紹介した竹入さんの回顧録にも、公明党が創価学会の選挙違反事件などのもみ消しを警視総監に依頼した事実が書かれています。
 一方、事件を担当した東京地検八王子支部にも極めて重大な疑問があります。と言うのも、朝木さんの周辺には、不可解な転落死にいたる以前から、暴行事件をはじめ、万引き被疑事件など、さまざまな事件が惹起していました。こうした一連の事件は複数の検事が担当していたのですが、平成七年の四月に信田昌男氏という検事が着任以来、すべての朝木関連の事件は、信田検事の担当となりました。したがって朝木さんの不可解な転落死事件も、引き続き信田検事が担当ました。ところが捜査が遅々として進まない。そこで信田検事の経歴を調べてみました。
 すると、これがなんと創価大学出身で、矢野公明党委員長の公設秘書を妻にしているバリバリの学会員だったのです。しかも複数の事件を一人の検事のもとで集めて担当させるには支部長検事の決裁が必要です。そこで、支部長検事は一体だれかと調べてみると、吉村弘さんといって、先に触れた神崎さんと一緒に、創価学会学生部の中でいろんな総体革命のプロジェクトを進める法学委員会の中枢スタッフの一人だったのです。この吉村支部長検事は、創価学会の副会長の妹を妻にしている、やはり池田さんに嘱望されたエリート検事です。そうした人物が支部長検事、担当検事だったのです。
 創価学会のエリートで、池田さんの期待も厚い検事が、学会と敵対した朝木事件を全部取りしきっていたのです。
 もし、今オウムの事件を、オウムの信者の検事が担当していたとしたどうなるでしょう。世間は騒然とするはずです。でも朝木事件を学会員の検事が担当していたという事実を、新聞は全く報道しませんでした。私は、『週刊新潮』と『諸君』でこの事実を指摘しましたが、新聞はいっさい無視しました。ではなぜ書かないのか、それは創価学会のマスコミ支配が進んでいるからです。
 お手元の資料、B4の一番最後のページです。これは「『東日印刷』代表と『活字文化』を語る」という見出しの『聖教新聞』です。この東日印刷というのは、『毎日新聞』の子会社で、『聖教新聞』と『公明新聞』を刷っています。『聖教新聞』というのは、日刊で公称五百五十万部、日本で部数第三位の新聞です。第一位は『読売新聞』、第二位が『朝日新聞』、第三位が『聖教新聞』。『公明新聞』も約二百万部の部数を誇ります。これを創価学会・公明党は、北は『北海道新聞』から南は『沖縄タイムス』までの全国各地の主要新聞に刷らせているんです。
 この東日印刷で『聖教新聞』を何部刷っており、創価学会がいくら支払っているのかは分かりません。しかし『公明新聞』は、政治資金収支報告書に決算が掲載されているので分かりますので、見ると、年間数十億円の金が、公明党から東日印刷に入っています。おそらく『聖教新聞』はその数倍でしょう。
 ですからマスコミ業界では、『毎日新聞』は『聖教新聞』を刷らなければ経営が成り立たない、創価学会に頭が上がらないなどと言われているのです。
 その東日印刷、毎日新聞の子会社である東日印刷の、社長らと池田さんが懇談した。その際、池田さんが詠んだという歌が載っています。どういう歌かというと、「東日と 家族の如き 聖教は 共に栄えむ 歴史を築きて」という歌です。東日すなわち『毎日新聞』と『聖教新聞』は家族のようなものであり、共に栄えるという歌です。
 先ほど「特別ナポレオン展」を主催しているのが、埼玉県と『埼玉新聞』とテレビ埼玉と申しました。もちろん『埼玉新聞』もテレビ埼玉も、印刷を受注したり広告を受けたりしている。創価学会の巨大な金の力の前に、日本の新聞社、テレビはすべて軍門に下っているといっても過言ではありません。もっとも、『朝日新聞』だけは、竹入回顧録を掲載したため、創価学会から謀略的な非難や攻撃を受けたことから、唯一、意地を見せている部分がありますが、他はことごとく膝下に屈しています。
 だから例えば朝木事件を担当したのが、学会の信田検事だということが判明しても、一行も書きません。先ほど来申し上げたように、創価学会に関するさまざまな事件があっても、新聞、テレビは創価学会の不祥事を書いたり、放送したりしないシステムができあがってきているのです。その一方で、先ほどの民音の記事の三ページの横に「ハワイでTV放映『人間池田大作』」という記事がありますが、その「人間池田大作」というプロパガンダ・ビデオは、日本各地の地方局で流されています。もちろんテレビ埼玉も放送しました。これに対して民放連は、こんな放送倫理綱領にもとる池田PRビデオを、地方局とはいえ、公共性の高い放送局が放送していいのかと、問題にしていますが、放送局の経営者は、金になるからと平然とPRビデオを流しています。創価学会にとって都合の悪い報道はしない。その一方でPRは流す。これがいまの日本の新聞、テレビの現状なんです。
 先日、『讀賣』、『朝日』、『毎日』、その他の新聞にでかでかと『新・人間革命』という池田さんの著作の全面カラー広告が出ていたことを、ご記憶の方も多いと思いますが、毎月毎月ああいう広告が載るのです。その他にも「聖教新聞」社発行の書籍をはじめ、『潮』とか『第三文明』、『灯台』『大白蓮華』『SGIグラフ』と、毎月、何億、否何十億という広告費がマスコミに注ぎこまれているんです。 
 創価学会はご承知のとおり、宗教法人として税制上の優遇措置を受けています。年間その収入がいくらかははっきり分かりませんが、二千億円から三千億円、あるいは四千億円とも五千億円ともいわれています。そのお金を湯水のように使って、政界、財界、マスコミ界と、創価学会は影響力をどんどん強めているんです。
 それと共に、今創価学会がターゲットにしているのが、出版社系雑誌の支配、駆逐です。新聞、テレビが沈黙する中で、唯一、創価学会にとって厳しい記事を書くのが週刊誌、月刊誌など雑誌なのです。それも出版社系の雑誌です。『文藝春秋』『現代』『諸君』『新潮45』、それから週刊誌でいえば『週刊文春』『週刊新潮』『週刊ポスト』『週刊現代』『週刊実話』『フォーカス』『フライデー』などです。また、夕刊紙の中では『日刊ゲンダイ』が頑張っています。こうした雑誌、夕刊紙をいま創価学会は抑え込もうとしているんです。
 先般、『読売新聞』がヘアヌードの問題にからんで、『週刊現代』の広告を出さないという事件がありました。これ、表面的にはヘアヌードを載せるか、載せないかということですが、本当の狙いはヘアヌードではないんです。実は、ヘアヌードを端緒としながら、創価学会なかんづく池田さんに批判的な記事の広告を載せないという方向に、問題を進めようとしているんです。
 昨今、報道による人権侵害を許すなということが盛んに叫ばれていますが、この運動は、創価学会の弁護士が中心になって進められています。先ほどご紹介したように『聖教新聞』や創価学会系雑誌は、竹入さんや日顕さん、そして山崎正友さんや白川勝彦さんを罵詈罵倒しています。かく言う私も、名誉などおかまいなしの激しいバッシングを受けていますが、どういうわけか私たちの人権や名誉はちっとも守ってくれない。その一方で、報道による人権侵害を許すなというお題目のもとに、創価学会や池田さんを取り上げる出版社系の雑誌、特に『週刊文春』とか『週刊新潮』『週刊現代』などを抑え込んで、創価学会に批判的な記事はもう載せさせないようにしようと動いている。
 昭和四十五年に創価学会は、言論出版妨害事件を起こしましたが、社会的批判を浴びた。そこで、いまではより狡猾な形で、創価学会に批判的な記事を押さえ込もうとしているんです。
 日本では雑誌や書籍は、日販と東販という流通業者を通じて書店に流れます。そこにも学会員が多く働いており、さまざまな手心、あるいは圧力がかけられているとも言われています。また、書店に圧力をかけることも多い。「新・人間革命」をはじめ、「聖教新聞」社発行の本や『潮』などは、学会員が大量に講入する。それを武器にして、創価学会批判記事が載った雑誌や書籍が届いても、荷を開かさなかったり、目立たないところに置かせるなどということもしています。
 とにかくあらゆる手を講じて創価学会に批判的な雑誌や書籍を封じこめようとする。世間の人が気づかないうちに深く静かに創価学会の「天下取り」「日本支配」計画は進んでいるんです。まさに「世間がアッと驚いた時が広宣流布」です。
 私は、日本人というのは非常にバランス感覚のとれた国民だし、賢明な国民だと思っています。ですから池田さんが「日本の柱」というような政治状況、これまで述べてきた創価学会の専横が、いつまでも続くとは思っておりません。しかし、今お話し申し上げたような状況は、今度の衆議院総選挙の結果がどうなるかわかりませんが、まだ今後数年、続いていく可能性があります。
 私は、戦後の民主主義教育を受けておりますので、国民を太平洋戦争、大東亜戦争へと駆り立てていった戦前の軍国主義体制、ファシズム体制が、どうしてああもたやすくできあがっていってしまったのかということを、いつも不思議に思っていました。同時に、今日の民主主義国家・日本であれば、ああしたことはもう起こらないだろうと楽観的に考えるところがありました。もし、戦前のようなことになっていけば、マスコミをはじめとする言論機関が警鐘を鳴らし、ファシズムに反対する多くの人々が、必ずや立ち上がるだろうとや思っていたからです。
 ところが、最近は、背筋の寒い思いをすることが多くなってきました。マスコミ・ジャーナリズムの世界に身を置き、取材をする中で、現代日本の民主主義社会、自由な社会は、極めて脆弱であることを痛感させられる機会が実に多いからです。
 戦前のあのファシズム横行の社会は、国家神道をバックボーンとした大政翼賛体制といわれています。昨今の自・自・公で三百議席を超える政治状況を、新大政翼賛体制と呼ぶ人もおりますが、私は、いまの政治状況、政治体制は、創価学会の票と金をバックボーンにした国家神道ならぬ国家創価学会体制になりかねないと危惧しています。
 来る総選挙では、自・自・公はかなり議席を減らすだろうと思っております。一般国民の創価学会・公明党に対する反発、アレルギーは非常に強いことは、『週刊朝日』や『論座』のアンケートを見てもはっきりしています。しかしこうしたアレルギーを緩和するために、いま、創価学会・公明党は、必死で、憲法二十条の規定する政教分離は、国家と宗教の関係であり、創価学会と公明党の関係はその範疇にないと主張。宗教者、宗教団体の政治活動は自由だとアピールしています。
 お配りした資料の中にある秋谷会長の『聖教新聞』の囲み記事をご覧ください。「誤った政教分離論を糾す」ということで、憲法二十条の「いかなる宗教団体も国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」という規定は、国家の宗教に対する関係規定をしたものであって、宗教の国家なり政治権力に対する関係を規定したものではないというきわめて一方通行的な解釈を繰り返しています。
 これに対しては、憲法学界や法曹界から反論も出ております。しかし、その声は、創価学会の大プロパガンダの前には、まだまだ小さいのが現状です。お配りした資料の中にも、「仏教タイムス」掲載の自民党の白川代議士のインタビュー、白川さんは弁護士でもありますが、白川さんに対するインタビューが載っていますが、そこでは、いや、そうではない、憲法二十条の規定は、確かに戦前の国家神道体制下で、日蓮宗のみなさんも遺文削除問題や・曼荼羅不敬事件など、国家の宗教にたいする抑圧を受けており、国家の宗教に対する関係が重要な骨子だが、単に国家の側からの宗教に対する関係を規定しているだけではなく、同時に、宗教の側からの国家、政治に対する関係をも規定した双方向の解釈が必要だという主張がなされています。憲法二十条には明確に「宗教団体」と規定されています。概念的な「宗教」が対象ではありません。創価学会という特定の宗教団体に支配された公明党が、政権の中に入っているという事実、そしてこうした政治状況を背景に、創価学会の総帥である池田さんが「出世の本懐」を遂げる、「正法大興隆の時」と発言している事実を踏まえる時、この規定を単に国家の政治権力の宗教に対する関係だと矮小化することには、重大な問題があると思うのです。
 創価学会が起こした、昭和四十五年の言論出版妨害事件の時に、時の自民党佐藤内閣は、政教分離についての憲法解釈について、政府見解で創価学会・公明党をかばいました。これは将来の国会対策そして選挙対策上、創価学会・公明党を味方に付けておいた方が、得策だとの政治判断に基づいてなされものです。その内容は、先ほど来、申しあげている憲法二十条一項後段の意味するところは、国家の宗教に対する関係を規定したものだとする一方通行の解釈です。これが今日まで踏襲され、それを創価学会・公明党はいま、日本に於ける憲法二十条の解釈として固定させようとして、必死にアピールしています。
 そうして創価学会・公明党に対する反発、アレルギーを緩和しようとしているんです。しかし、私は与党三党はきっと負けると思います。だが、創価学会・公明党は、内部ではなんと言っているかというと、我々はある程度負けるのは予測済みだ。しかし自・公すなわち自・創で過半数をとれればよいと言っているんです。そうすれば「日本の柱」体制は維持できると。
 先ほど申しあげたように、創価学会・公明党が政権に参画できる最大の要因は、参議院のキャスティングボートを握っているからです。そして、もう一つ、創価学会は小選挙区での創価学会票を大きな武器として、政界のヘゲモニーを握ろうとしているんです。平成十年の参議院選挙で公明党は比例区で七百七十四万八千票を獲得しました。これを全国三百の小選挙区で割ると、一選挙区あたり二万五千票となります。この票を武器にして、創価学会は政治家を膝下に組み敷こうとしているんです。
 その結果、公明党と連立を組む自民党内では、自・公連立に反対したり、創価学会を批判することはできなくなってきています。反自・公連立の急先鋒である白川勝彦さんや平沢勝栄さんは、「いまや自民党内で創価学会批判をすることはタブーとなりつつある」と語っています。
 かつて公明党で単独政権を取ろうとして自分には、創価学会は小選挙区制に反対でした。池田さんは小選挙区制を導入したら百万人の青年部員で国会を囲むとまで言っていました。ところが、自らの勢力が頭打ちになり、単独政権が無理になり、連立の時代を迎えると、一転して小選挙区制に賛成しました。それは、十lに満たない創価学会・公明党勢力の力を最大限、有効に発揮し、政界への影響力を最大限発揮するシステムが、小選挙区制度だからです。当選第一主義の代議士にとって、自分の選挙区にある二万五千票が味方になるか敵になるかはたいへんな違いです。結局、創価学会を敵にしたくないということで、内心では創価学会はおかしいと思っていても、黙ってしまうのです。
 そこで最後に私が申し上げたいのは、創価学会は自らを唯一正統の仏教団体だと称しています。日蓮大聖人直結の仏意仏勅の教団だと言っています。そして現実に世間でも日蓮さんの教えといえば、創価学会というイメージが定着しつつある。先ほど申しあげたような日顕を祈り殺せというような怨念の題目が、日蓮さんの題目だとして流布していく可能性があるわけです。日蓮聖人が表された「立正安国」という大命題、その意義が、創価学会流の解釈と実践方法で世間に定着してしまう危険性もあるわけです。
 私は、これでいいのだろうか、と思うのです。日蓮聖人は「日蓮を悪しく敬えば国滅ぶ」というお言葉を遺しておられますが、私は、この言葉の意味を、いまこそ日蓮門下の宗教者は深く、強く噛みしめるべきなのではないかと思っています。このまま創価学会が、日蓮の正当な団体だと、法華経宣布の唯一正統な団体だということで広まっていったら、日本の国の将来は暗澹たるものになってしまうのではないでしょうか。
 その意味で、創価学会をここまで助長させた第一の責任は、二人三脚で来た日蓮正宗にあると思っています。しかし、同時に、同じ日蓮門下として法華経を、そして日蓮聖人を教義・信仰の依所としている日蓮宗のみなさんにとっても、創価学会の存在は、決して他人事ではないと思うのです。皆さん方はそう思っておられなくても、創価学会は「謗法の身延迎合の大罪」と言っているのですから、否応なく敵対勢力とみなされているんです。その意味では、創価学会問題というのを自らの問題として捉え直し、創価学会の教義なり、信仰のあり方が、本当に日蓮聖人の教に叶うのかどうかをきちんと批判し、啓蒙する必要があるのではないかと思うのです。
 私はそれが、来るべき立教開宗七五十年に向って日蓮宗門が取り組むべき問題の一つではないかと思います。いま、日蓮宗門は七五〇に向って様々な事業を展開なさっておりますが、その一つとしていま申しあげたようなことを、考えていっていただければ思います。それがひいては令法久住・広宣流布に繋がっていくのではないでしょうか。学会員は池田流のマインド・コントロールによって人を呪い、恨み、攻撃をし潰していくというようなことが信仰だと思っているわけです。誤った信仰生活を送ることを余儀なくされているわけです。そうした人々を救済していくこともまた、日蓮宗の皆さんに課せられた使命なのではないかとも考えます。
 同時に、政界に対する、自・自・公連立体制という今日の政治状況に対し、日蓮宗門としてどう向き合っていくのかという点についても、十分、議論をしていただく必要があるのではないのでしょうか。昨年、自・自・公連立政権が発足するにあたって日蓮宗門は、永井宗務総長がこれに反対する書簡を自民党の森幹事長に出されました。伝統教団の中でいち早く行動を起こされたことに対し、私は敬意をもって見ておりましたが、どうもアドバルーンだけに終わってしまっているきらいがある。
 日蓮宗門の中には、一乗会という国会議員の会もあります。また、地方議員の方も数多くおられます。おそらく住職で地方議会に出ておられる方もいれば、檀信徒さんで議員という方も相当いるでしょう。そういう方々を通じて、いまの政治状況、「日本の柱」体制にどのような働きかけができるのか。そういう点を検討して、重層的な活動を有機的に積み上げていく必要があるように思われます。
 そうした活動が、広宣流布・令法久住、そして「立正安国」という日蓮聖人の教えにかなっていく、繋がっていくのではなかろうかと思います。
 たいへん、口幅ったいことを申しあげましたが、私も法華経、そして日蓮聖人の御教えを戴く一人として、創価学会の一員であった自らの前半生を総括する意味も含めて、このようなことを申させていただきました。いずれにいたしましても、創価学会問題というのは他人事ではない、自分たちの足下に、あるいは国民一般を含めた檀信徒の皆さんの目の前まで降りかかってきている切実な問題だと言うことをぜひご認識いただいて、今後のご活動の一助にしていただければ幸いでございます。本日は長い間ありがとうございました。

 ※本稿は平成十二年二月十八日、愛知県名古屋市「名古屋クラウンホテル」にて開催された第三四回教化学研究集会にて講演されたものを筆録したものです。


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