日蓮宗 現代宗教研究所
Nichiren Buddhism Modern Religious Institute
| 所報第34号:80頁〜 |
特集[地球環境を考える] |
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み仏の世界の実現をめざして
−環境問題の理解と対応に関するアピール文−
平成一一年九月八日
第三二回日蓮宗中央教化研究会議
環境問題は、私たち人類ばかりか、生きとし生けるものすべての生存をおびやかす重大な問題です。法華経には、この現実社会を浄らかなみ仏の世界として顕わすべきことが説かれています。現代に日蓮聖人の「立正安国」の教えの実現をめざす私たちにとって、環境問題は信仰活動として取り組むべき重要な課題であります。
私たちはこれまで、反戦、平和、そして最大の環境破壊要因である核兵器の廃絶を求める運動を行ってきました。また、公害問題に対する社会的活動や、中央あるいは教区での教化研究会議における研究・啓発活動などを積み重ねてきました。その経過をふまえ、第三二回日蓮宗中央教化研究会議では、信仰の立場から環境問題をいかに理解し、どのように対応すべきかについて、会議全体のテーマとして取り上げ、討議しました。
私たち人間は自然の一員として相互依存の中に生きています。この世界全体が本来み仏の浄土であり、その中にあって、人間や動物、草木や国土さえも仏性を有し、仏になるのです。自然環境は、私たちが生存するための外部環境であると同時に、私たち自身が環境そのものです。従って、その環境を本来の自浄能力を越えて汚染し、回復不可能な状態まで破壊することは、かけがえのないみ仏の世界を汚染し破壊し失うことになると同時に、私たち自らを汚染し破壊し失うことにもなるのです。
み仏の本意に従いこの世にみ仏の世界を実現すること、そのために法華経の精神に基づいた菩薩道の実践をすることが私たちのつとめであると日蓮聖人は教示しています。環境破壊によるあらゆるものの苦しみを自らの苦しみとして受け止め、正しい教えを立てて平和な社会を実現することが私たちのつとめです。
汚染と破壊が拡がりつつある現代において、み仏の世界をこの世に実現するために私たちは何をなすべきか切実に問われています。地球環境の汚染と破壊を看過してきたことを深く懺悔し、信仰のあり方を問いなおし、個々人の生活と社会のあり方を見直し、地涌の菩薩としての新たな使命感に生きることが求められています。それこそが日蓮聖人の「立正安国」の誓願を現代に生かす道であります。
以上の認識に立って、私たちは環境問題に次のように対応します。
1、私たちは、自然を破壊し浪費する現代の文明の中に身を置きながら看過してきたことを深く懺悔し、自然との共生によって、み仏の世界をこの世に実現することをめざし、正法の弘通に精進します。
2、私たちは、環境を破壊し汚染するすべての行いに対して抑制を求め、環境を守り保護する活動に協力し支援します。また、科学者の更なる研究努力、新たな技術の創意工夫、産業・経済界の真剣な取り組み、行政の責任ある対応、並びに国際的な協力体制の整備を求めます。
3、私たちは、立正平和運動を活性化しお題目総弘通運動を推進する中で、地球全体を視野に入れた自然環境保護活動に継続的に取り組むことに努力します。
4、私たちは、檀信徒や地域の人々とともに、信仰活動として、地球環境と共生する寺院づくり、家庭づくり、地域づくりにつとめます。
以上
註・本アピール文は第三二回日蓮宗中央教化研究会議最終日全体会において賛成多数で可決されたものですが、少数の反対意見もあったことを付記します。
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