日蓮宗 現代宗教研究所
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所報第28号:320頁〜 編集後記 ←前


編集後記

▼現代宗教研究第二十八号をお届けいたします。
 時代環境の変化に対して、宗教のとる姿勢はさまざまです。新しい時代の条件に進んで自らを適応させようとする努力もみられます。しかし、現代社会の中で大きな影響力を持ち活性化していくのか、衰退し無力化していくのかは、教団レベルでの地道な研究とそれに裏付けられた政策によるところが大きいように思えます。
 今回の所報は、現代の社会変化の中にあって、これからの教団や寺院、また教化はどうあるべきなのか、そしてこれからの時代に通用する僧侶の育成はどうしたらよいのか、などの研究や試み、試案が伺えるものになりました。
▼教化学研究の秋田光彦先生からは、社会の情報化、経済化、メディア化が進む一方、僧侶自身のアイデンティティーが揺らぎ希薄化する“聖”の記号のなかで、宗教が新しく生まれかわり新しい聖性イメージを付け加え、どう未来都市寺院の文脈に書き換えていったらよいのか、その試みが示された。加藤淳真先生からは、教団が二十二世紀に向かってどう生き延びていくのか、本門佛立宗のきりかえ運動の理論と反省などをもとに、たえず教団組織の革新を図っていくことの重要性が示された。
▼間宮氏、田島氏からは、これからの教育制度のあり方について行学林の設置構想が、また桐谷氏からは僧風教育、僧侶育成における「求道」の重要性が説かれた。また、影山氏からは法器養成のカリキュラムには「修五番止観」のプロセスが欠かせないことが示された。
▼中央教研では、出家主義の立場から中野東禅先生、在家主義の立場から中野毅先生、非僧非俗の立場から大村英昭先生、それぞれの立場から「現代の教化を問う」と題して講演をいただき、「自覚の宗教」「教化よりも個人の納得が肝心」「煽りよりも鎮め」など、現代教化への示唆をいただきました。
▼これからは、こうした研究を受け止めていく教団の姿勢が問われていくことと思われます。
▼御講演をいただいた諸先生、また御執筆を賜りました各聖に心より御礼申し上げます。     (木村記)                                                  

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