日蓮宗 現代宗教研究所
Nichiren Buddhism Modern Religious Institute
HOME > 目次 > 時事ノート > 平成16年度5月
宗報 平成16年度5月号 第194号 改訂 第26号

機構改編にともなう現代宗教研究所の活動基盤と教研会議について
日蓮宗現代宗教研究所所長 田澤元泰 
 このたび、4月13日付で現代宗教研究所第12代所長に就任いたしました。代々の所長をはじめとする研究所の研究成果の積み重ねを基に、宗門興隆のために微力ながらも精一杯努力いたしてまいりたいと思います。より一層のご指導ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
 さて、本年は現代宗教研究所が設立されてより40年になります。当研究所では今日に至るまで、設立の目的に沿って、杜会状況の中で時代に適応する信行及び布教体系の確立に寄与するために、数々の調査・研究を行ってまいりました。その中で特筆すべき活動の一つに教化研究会議があります。
 布教の現場での経験をもとにした問題提起と、それにもとづく課題に対して、具体的な研究と調査の推進と、その成果の積み重ねによる、布教に関する資料や提案の提示を目的としてはじめられました。当初は全国から有志が集う形ではじめられましたが、地域での要望に応え、地域教化研究会議が開催されるようになりました。次第にその活動が認められ、宗務所としても活動への助成と教研運営委員を任命することになり、全国宗務所の教化上の情報と教区教研会議開催との連携をすすめるために、教研運営委員による中央教化研究会議と、地域の運営委員主導による教区教化研究会議が開催されるに至りました。
 教化研究会議では、日蓮教学の現代的把握と、それぞれの布教の現場にて生ずる教化上での問題、および現代社会の諸問題への対応といった広範囲な問題提起のみならず、宗門のこれまでの一方的な体制に対する疑問から、教研会議にて地域の意見を中央に反映させるパイプの役目や、さらに布教体制といった組織的な面からの問題点について議論され、教師の声を中央に反映させるパイプといった、重要な側面も合わせもつようになりました。実際に教化研究会議にて議論され提案された内容が、布教伝道の企画に反映されるようになりました。
 しかるに、平成14年の立教開宗750年ご正当を目標に、平成8年に宗務総長の諮問機関として「機構改革検討委員会」が設けられ、翌9年には「宗門機構検討委員会」が設置され、21世紀を視野にいれた宗門全般の機構・組織の見直しと、伝道宗門としての機構と機能に関する総合的な見直しを開始しました。平成13年3月に『宗門新機構要綱』(案)が策定され、これをもとに平成14年度より、新機構による宗門の改編が行われました。この中で新たに組織として加えられたのが、伝道部所管による伝道企画会議です。管区・教区・中央と段階が分けられ、地域すなわち管区単位での教師の声を、教区を経て中央に反映させようとするものです。現在は次期宗門運動について地域の意見を集約する段階になっていますが、これまでのように、宗務所が単なる宗務統括および伝達機関ではなく、布教伝道の現場であるという位置づけを明確にさせ、そのための中軸として伝道企画会議を組織した点が、大変注目されるところです。
 このように機構改革の発想の中に、命令系統としての組織から、実働するための意見や情報を現場の教師の声から集約しようとする機能面に重点を置くという、大きな変革を試みたということの背景に、これまで教化研究会議にて提案し、布教教化の重要性を訴え続けてきた積み重ねが、大きな役割を果したものとなっているといえます。
 先日の平成16年度全国宗務所長会議の中で、管区における伝道企画会議の事例報告がありましたが、内容的にはこれまで教化研究会議にて議論されてきた内容に近いものでした。教師の声を中央に反映させようといった教化研究会議の姿勢は、今後もつねに意識し、継続させてゆかなくてはならない重要なものですが、宗門組織として伝道が機能し始めた今日、教化研究会議のなかで今後どのように位置づけするか、会議の運営もふくめ、基本的な見直しを必要とする時期に差し掛かっているのではないでしょうか。現代宗教研究所は、常に時代に即応する形で研究課題や調査内容を問い続けてゆかなくてはならない、と思います。
このページのトップへ▲

Copyright (c)2001-2006 Nichiren Buddhism Modern Religious Institute. All Rights Reserved.