日蓮宗 現代宗教研究所
Nichiren Buddhism Modern Religious Institute
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宗報 平成16年2月号 第191号 改訂 第23号

傘かしげと若者
日蓮宗現代宗教研究主任 伊藤立教 

 傘(かさ)かしげ、という言葉、広辞苑にも載っていませんし、若い人に聞いても、知らない、といわれました。
 雨の降る日の狭い道で、傘をさして歩いていたら、向こうからも傘をさした人が歩いてきました。すれ違う時、傘と傘がぶつからないようにお互いに傘を少し傾けます。少し雨に濡れますが、傘がぶつかることを遠慮してお互いに気遣いします。これを、傘かしげ、と言います。ここまで説明したら、先ほどの若い人もわかってくれました。言葉は知らなかったけれども、こういう経験はある、ということでした。
 単身赴任ですので、たびたび東京駅を歩きますが、本当に人が多い、しかもぶつかってくる、まっすぐ歩けません。同じ経験をした人がたくさんいるらしく、先日のテレビでも、話題になっていました。ぶつかってくる相手は、男女、老若、様々です。若い人だけではありませんが、目立つのは若者です。
 一方で、イラクヘの自衛隊派遣やボランティア活動などに対する若者の反応もすばやく、意欲的です。
 今の若い者は、と言われながら、「日本の若者は世界で最も人を殺さなくなった」とも言われている現状を、どう理解したらいいのでしようか。2月18日の現宗研主催教団論セミナーでの早稲田大学長谷川眞理子教授の講演でヒントが得られたら、後日ご報告させていただきます。

まる1今年の初詣は正月三日間で昨年より267万人多い8,889万人で過去最高の人出だった、と警察庁がまとめました。
 一位明治神宮(東京)290万人、二位成田山新勝寺(千葉)260万人、三位川崎大師(神奈川)255万人、四位伏見稲荷大社(京都)235万人、五位熱田神宮(愛知)234万人、六位住吉大社(大阪)225万人、七位太宰府天満宮(福岡)202万人、八位大宮氷川神社(埼玉)187万人、九位鶴岡八幡宮(神奈川)185万人、十位浅草寺(東京)183万人。
 行楽地では、東京ディズニーランド・ディズニーシー(千葉)が昨年に続いてトップで37万1千人。次いでユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪)12万3千人、和歌山マリーナシティ(和歌山)10万9千人、苗場スキー場(新潟)10万人、だったそうです。
 この人出のほとんどが若者、なわけです。

まる2総務省の発表では、申(さる)年生まれの人は推計993万人、全人口の7.8パーセントにあたり、男性は482万人、女性は511万人。
 十二支別の人口では、申年生まれは下から3番目。最も少ないのは酉(とり)年生まれの952万人、最も多い丑(うし)年生まれは1,125万人。

まる3新成人(1983年、昭和58年生まれ)は152万人で、男性78万人、女性74万人。全人口の1.19パーセント。新成人の人口は2002年から3年連続152万人で、1987年の126万人に次ぐ少なさです。

まる4昨2003年生れの赤ちゃんは112万1千人で、前年よりも3万3千人少なく、過去最少であったことが、厚生労働省人口動態年間推計(2003年12月31日付)で明らかになりました。人口千人あたりの出生率も昨年より0.3パーセント減の8.9で、これも過去最少を更新。少子化はさらに進んでいます。
 婚姻数も73万7千組と、前年より2万組減りました。逆に、前年過去最高だった離婚数は、4千組減って28万6千組だったそうです。
 一方、高齢化の進行もあって死亡数は増加、前年より4万3千人増の102万5千人に達し、終戦直後の1947年以来始めて百万人を突破、千人あたりの死亡率は8.1でした。
 出生数から死亡数を引いた自然増加数は9万6千人。前年の17万1千人から大幅に減少し、自然増加数は始めて十万人を切りました。
 厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所が2003年12月31日に公表した市区町村別の将来推計人口によると、65歳以上人口の総人口に占める割合である高齢化率が4割を超える自治体が、2030年には全市区町村の3割にのぼる見通しです。他方で、15歳未満の年少者が1割未満となる自治体は、3割を越えそうです。

まる5日本の総人口は来年1億2,745万人でピークを迎える、という日本大学人口研究所の将来推計があります。増え続けてきた人口が、ついに減少し始めます。
 下がり続ける出生率の一方で65歳以上の高齢者の全体に占める割合は、前後してイタリアを追い越し、世界一の高齢国家になるとも予測しています。
 人口が先細り、社会の少数派となった若者たちには、学力低下、フリーター化(定職に就かないで生活をする若者が多くなる傾向)という実態があります。

まる65年連続で、自殺者が3万人を超えています。人口十万人あたりの自殺者が25人以上で、世界でも自殺の多い国の一つです。
 2月26日に開かれる第28回京浜教区教化研究会議で、「いのち・自殺者三万人の時代を迎えて」と題して、日本自殺予防学会斎藤友紀雄常務理事とあしなが育英会西田正弘氏の基調講演とパネルディスカッションがあります。

まる7色々なおみくじが、あるそうです。一般的なもののほか、若者向けの血液型や年齢差を占う「恋みくじ」、子供の成長を願う「子供みくじ」、外国人向けの「英文みくじ」、花言葉を入れた「花みくじ」などがあります。
 おみくじに一喜一憂する若者がいるという世相の反面に、結婚『難』時代という現実もあるそうです。国立杜会保障・人口問題研究所の独身者調査によると、いずれ結婚するつもり、と答えた未婚者はこの十年で9割弱だそうです。ある程度の年令までには結婚するつもり、という人が減り、理想的な相手が見つかるまでは結婚しなくても構わない、という人が増えているそうです。1990年以降、第一子の4人に1人が「できちやった婚」で生まれました。妊娠でもしなければ結婚しない状態が起き始めているそうです(毎日新聞平成16年1月1日号特集記事)。

まる8民間の世論調査会杜「アイブリッジ」(大阪)が若手杜員と管理職を対象に酒席のマナーをテーマにした調査で、若手杜員の過半数が管理職との飲み会に消極的な一方、管理職の6割が若手との飲み会に積極的、というギャップを浮き彫りにする結果が出ました。
 管理職は、若くて意欲のある人と時間を過ごすのは楽しいなどの理由で、若手との飲み会に積極的です。若手は、気を遣う、説教されるなどの理由で、管理職との飲み会に消極的なのだそうです(日経新聞平成16年1月3日号記事)。

 お父さんお母さんも大変ですが、若者も結構いろいろ大変です。
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