日蓮宗 現代宗教研究所
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宗報 平成14年12月号 第177号 改訂 第9号

葬祭業者が廃業する時代
日蓮宗現代宗教研究所主任 伊藤立教 

 日本経済新聞の本年(平成14年)10月13日号連載記事「エコノ探偵団」の、「葬儀杜なぜ続々廃業?」を要約でご紹介します。
    厚生労働省によると、日本の死亡者数は、1996(平成8年)に約90万人だったのが、2040年には約169万人に増える見込み。
 ところが葬祭業者は、東京都内だけで昨年約200社が廃業(3年前は40社程度)。葬祭業者は従業員10人未満の零細家族経営で、後継者不足が多い。それにここ数年、全国的に葬儀の値段が下がり、売り上げが減っている。
 葬祭業者の扱う葬儀料は、96年は1件あたり192万円、昨年は171万円。業界は、今後も死亡者数を上回るぺースで葬儀の値段が下がるので市場規模は当面縮小する、と見ている。
 核家族化であまり費用がかけられなくなったり、近親者だけですます例もふえたという。
 宮崎県では農業協同組合が参入して斎場190棟を建設、価格が約3割下がったという。農村は核家族化や過疎化で自宅での葬儀が難しく、斎場の要望が増えたためで、組合員向けの価格は100円、非組合員も利用できる。
 都市部では、阪急電鉄・東武鉄道・西武鉄道・京浜急行電鉄が斎場を建設、名古屋鉄道が葬儀会杜に出資、低価格競争を起こしている。葬祭業への新規参入は、許認可は要らない。
 農協や鉄道会社が不振の副業を見直す中で、成長が見込め遊休地も利用できる葬儀業に参入、値下げ競争が起き、価格競争についていけない零細事業者が廃業しているようだ。
 ただ、競争激化もあって、市場は一段と縮小しており、先行きは厳しい、と関係者は見ている。
  
 


    葬儀の安心価格、総額56万2400円

 前掲の日経新聞に続いて11月15日号「週刊朝日」にも、葬儀社葬儀料価格破壊戦争の記事が載っています。
 小見出しの金額は、宮崎市に昨年誕生した葬祭ベンチャー企業が引き起こした値下げ競争の実例です。
 この企業は、フランチャイズが広がれば日本中で価格破壊が起こる、といいます。

 同誌は、
    厚労省の推計によれば、年間の死亡者数は今年初めて100万人を超え、2038年に170万人でピークを迎える。葬祭業界にとっては、今後30年以上、市場が拡大し続ける。しかし、業界関係者は、先行きを楽観視しているわけではない。
  
としています。
    たしかにパイは拡大するが、高齢化と同時に少子化も進み、一人っ子同士が結婚すれば、子供2人で4人の親の葬儀を出さなくてはいけない。結婚式と同じように、葬儀に対する価値観の多様化も進む。
  
ともみています。


    日本の親子遠い心の距離

 そのお葬式で世話になる子供との関係について、日経新聞10月12日号に小見出しのタイトルで、このような記事が載っていました。要約すると、
    子供が親を尊敬しているという割合や、親の側が「子供は自分の宝だ」と思っている割合が、米国、トルコに比べ、日本は非常に低く、親子の心理的距離が遠いとする調査結果を、東洋大学の中里至正教授がまとめた。中里教授は、「日本の親子関係の異質さに気付き、喜怒哀楽を共有してほしい」と話している。
  
ということです。


    ならば妻がいるさ

と思うでしょうが、毎日新聞11月8日号コラム「近事片々」に、
    妻に先立たれた夫より、夫に先立たれた妻の方が長生きする。その例は身近にある。が、愛媛大研究班のお年寄り死亡関連調査によると、夫がいる女性よりも「いない」女性の方が長生きし、その違いは夫の存在が大きいという(昨夕刊)。調査対象は60〜84歳。「オレは違う」の元気な声もあろうが、この種統計は反省材料にするのが賢明。外国でも、未婚男性は既婚男性より死亡リスクが高いという。男はつらい? 弱いのだ。
  
とあります。


*熱心な檀信徒M氏が、10月から新聞雑誌の切り抜きやいろいろな資料を現宗研に郵送してくださいます。世間一般の人から見た宗教や社会の断片をもとに、資料や材料を提供させて頂きます。
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