日蓮宗 現代宗教研究所
Nichiren Buddhism Modern Religious Institute
HOME > 目次 > 宗報より > 平成16年度10月
宗報 平成16年度10月号 第199号 改訂 第31号

日蓮宗の教化学を考える
(第37回中央教化研究会議報告)
日蓮宗現代宗教研究所主任 伊藤立教 

 去る9月8日(水)午前10時半から9日(木)午後0時半まで、宗務院で本年度の中央教化研究会議を開催しました。

 「日蓮宗の教化学を考える─私たちの布教教化は世間を引きつけていますか」

がメインテーマです。
 田澤元泰現宗研所長の基調報告である、

 「布教教化を機能させるには」

をうけ、6名によるパネルディスカッションで3分科会への方向づけをし、各分科会で、自身が語り考える教化研究の場、としていただきました。
 世間の目線にたった布教、について影山教俊師が補足報告をし、「日蓮宗の教化学を考える」を、教学的な面から、布教教化機能論から、望まれる教師像を女性教師の観点から、新宗教布教の観点から、それぞれ発言してもらいました。

 第1分科会「現代と教学」 ─真偽未決御書を布教教化の上でどう捉えるか
 第2分科会「教団・教化」 ─世間の目線にたった布教
21世紀に適応する具体的な教師像
 第3分科会「現代社会」 ─新宗教とその対策について

に分かれて、事前に参加者に配付した、

 『「お題目総弘通運動」総括のための全教師アンケート報告書』
 『日蓮宗全女性教師アンケート報告書』

と、当日配布した、

 『創価学会の徹底的解剖・内部矛盾』
 『顕正会について』

のほか、

 第1分科会─ 「当体義抄」「如説修行抄」「波木井殿御書」全文
 第2分科会─ 第21回千葉県教研配布「宗教意識」アンケート報告書(佐藤師持込)
 第3分科会─ 「新宗教の実態や勧誘の手口」情報・資料アンケート報告書

を参考に、話し合っていただきました。

 開催趣旨に記したとおり、本年で40周年となる現宗研設立基本目的のひとつが、教学の現代化、すなわち「教化学」の確立です。石川教張元所長が他宗に先駆けて早くから提唱し、真言宗・曹洞宗などで取り組まれていますが、なかなか難しいようです。
 昨年は摂受折伏間題で167名が参加、本年は比較的地味なテーマにもかかわらず、144名の参加(申込数、うち女性教師17名)がありました(定員百名)。

東京(東)1名、東京(西)1名、東京(南)3名、東京(北)0名、神奈川(一)2名、神奈川(二)1名、神奈川(三)3名、千葉(東)2名、千葉(西)0名、千葉(南)3名、千葉(北)3名、埼玉3名、群馬1名、茨城1名、栃木1名、山梨(一)1名、山梨(二)0名、山梨(三)0名、山梨(四)3名、静岡(東)0名、静岡(中)1名、静岡(西)1名、長野1名、岐阜1名、愛知(名)0名、愛知(尾)1名、愛知(三)2名、三重1名、新潟(東)2名、新潟(西)1名、新潟(北)0名、富山1名、石川(一)1名、石川(二)0名、福井(中)1名、福井(南)1名、福井(北)0名、京都(一)1名、京都(二)1名、大阪(市)1名、大阪(和)0名、大阪(三)1名、大阪(豊)0名、滋賀0名、奈良0名、和歌山1名、兵庫(東)2名、兵庫(西)0名、兵庫(北)1名、岡山4名、広島2名、山口2名、島根3名、鳥取1名、香川0名、徳島0名、愛媛0名、高知0名、福岡3名、熊本2名、佐賀2名、長崎2名、大分1名、宮崎鹿児島沖縄1名、福島1名、宮城1名、山形1名、岩手0名、秋田3名、青森1名、北海道(東)1名、北海道(西)2名、北海道(南)2名、北海道(北)3名、布教研修所11名、現宗研研究員11名、現宗研顧問7名、現宗研嘱託19名、現宗研6名
  
 一昨年の機構改革で「伝道宗門」体制となったことは、現場の教師や宗務所が布教すべし、と訴えつづけた石川教張師ら現宗研の声が反映されたものと思います。
 基調報告で田澤所長も、「以降、教化研究会議の今後のあり方について、伝道企画会議との関係について、教化学の体系化にむけて、調査研究してゆきたい」、と締めくくっています。
 真偽未決御書について、中央教研で始めて取り上げました。教学からではなく、教化学の観点から、その位置づけをしてみようという試みです。
 世間の目線にたった布教、は、分かりやすくて分かりにくい、という感想が出ました。むしろ、世間の目線に応じた布教、といった方が分かりやすい、という意見も出ました。世間の目線にたつ、ということは、世間一般の見方に迎合するような印象がある、というのです。世間の目線に応じる、といえば、教師の自覚をもって世間の求めに応えるということになりますから。
 21世紀の教師像はイメージしにくいようですが、教学用語を使わず、葬儀法要に頼らない布教をという提言に対して、教学は布教の根幹、葬儀法要抜きでは成り立たない、という考え方も強く出ました。いずれにしても、教師の基本にたつ考え方と行動に徹することではないでしょうか。
 新宗教対策は、現宗研設立時からの基本目的のひとつです。本年、顕正会から『再び日本国民に告ぐ日蓮大聖人に背く日本は必ず亡ぶ』(諌暁書第二冊目)という本が、日蓮宗関係の寺院・檀信徒に送られてきましたが、会員公称百万人達成を機に開かれたという「高校生大会」ビデオダイジェスト版を見た参加者は、まず驚き、そして考えさせられました。

 昨年から、現宗研の通年調査研究項目と中央教研分科会をリンクさせ、中央教研を講演会や研修会だけのイベントに終わらせない方向でやってきています。この3分科会も、結論を急がず、今回話し合われた内容を参考に、11月をメドに報告書にまとめ、来年3月発行の研究紀要『現代宗教研究』に掲載する予定です。

 最後の全体会議で、

  まる1 新宗教関係の資料(ビデオなど)を配付してほしい
まる2 新宗教関係の相談・対応部署を作ってほしい
まる3 できれば顕正会諌暁書への対策本を作ってほしい

などの要望が出ました。また、

   世間への対応だけではなく、日蓮聖人が見据えた世間─立正安国─を考えるのが本宗教師の姿勢ではないか

という意見が出ました。

 30名もの死者と14名の行方不明者を出した台風18号の最中でしたが、参加者の減少もほとんどなく、2日間通しての会議が出来ました。

 以上、本年の中央教研の概要を速報させていただきました。詳しくは、明年3月発行の研究紀要『現代宗教研究』第39号でご報告の予定です。


Copyright (c)2001-2006 Nichiren Buddhism Modern Religious Institute. All Rights Reserved.