日蓮宗 現代宗教研究所
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宗報 平成14年6月号 第171号 改訂 第3号

「立教開宗七百五十年慶讃宗門法要のライブ中継─IT布教の展望」
日蓮宗現代宗教研究所 デジタルプロジェクトチーム

1、はじめに
 今、目の前にある状況を、特定多数、あるいは不特定多数の方々に見て欲しい、聞いて欲しい、そういうことができる手段を個人でも持ちうることが出来るようになった。これがインターネットを利用したライブ放映である。この度の立教開宗七百五十年慶讃宗門法要のライブ放映を視聴した方々からは、「遠くに居ながら法会に参加できた喜び」を受けた、という意見が大勢であった。まさに今年度の布教方針である「伝える。意識の確立と行動の展開」に叶った実験であったものと思われる。

2、送受信環境
 今回のライブ放映は、現代のIT機器を利用して、どのように伝えることが出来るかが課題であり、実験的要素が濃いため、50名限定で各教化センター等に申込案内を送ったところ20数名の申込があり、そのうち当日の視聴者は両日とも10数名だった。
 送信環境としては、清澄という場所がらもあり、高速度での通信は出来ない為、ISDN回線を2回線引いて、1回線を送信用、もう1回線を受信監視用として使用した。
 受信者の通信環境は様々であり、ISDN回線以上の高速度(ADSL・CATV等)では、スムースに見られたようである。

3、映像と音声に関して
 映像は葉書を半分に折った程度の大きさであった。これは今日のライブ放映の技術を使用しているなかで、一般的なものである。今日の映像機器は、大画面のテレビで見てもクッキリと鮮明に映し出されるものが多いため、それらと比較すると映像としては小さすぎる嫌いがある。このため、放映された映像は大勢の人物の一人一人の顔を判別できるほど鮮明ではない。放映の対象となるものによっては、見にくい映像となってしまう可能性も高い。
 そこで、ライブ放映向きの場面を考えてみると、動きの少ない映像(講演や会議)、明るい場所での映像(屋外でのイベント)などが考えられる。
 振り返って今回の放映を分析してみると、第一会は本堂の中が暗かったため、散華が荘厳にまき散らされる場面や堂内の人物の顔が判別しにくかった。第二会の暁天法要は旭日が鮮やかに昇り、感動が十分に伝わったようである。第三会は天気が良く、扉が開け放たれた明るい祖師堂であったため、第一会よりも数段きれいな映像となった。
 音声に関しては、クリアで、FM放送と比較しても劣らない音質であった。
 なお、当日の映像に関しては、放映できなかった分も含め、多少大きな画面サイズ(QVGA)に再編集して現宗研ウェブサイトの立教開宗七百五十年慶讃ぺージ(http://www.genshu.gr.jp/750/ [画像])で公開している。また、11月末日までの期間限定で、ダウンロードできるように配慮している。

4、今後の課題
 昨年、ADSLが低価格で提供され、低価格のパソコンがでたことから、IT人口が急激に増えてきている。寺院においても、住職がパソコンを使用しなくても、中学生以上の子供がいる寺院ではパソコンを購入しているところが多くなってきた。
 しかも、後から始める人ほどブロードバンド(高速度通信)を取り入れている人が多く見受けられる。このことから、宗門においては、宗門内のIT人口を調査する必要があるのではないだろうか。それによって、速やかなる伝達、即時性のある情報の提供等がどの程度可能かが判明するはずである。
 また、IT人口の増大に対応した情報データベースの構築も急がなければならないところであろう。
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