日蓮宗 現代宗教研究所
Nichiren Buddhism Modern Religious Institute
HOME > 目次 > 教団論セミナー > 第11回
第11回教団論セミナー 概要開催趣旨講師紹介講演資料講演映像

 昨年夏に行われたシドニーオリンピックでは、日本柔道100キロ超級ホープ篠原信一(旭化成)とフランスのダビド・ドイエとの決勝戦で優勢負けをした。篠原は中盤、ドイエの内またをすかして、一本勝ちしたかに見えたが、不可解な判定で破れた。
 この判定をめぐって、インターネット上では今までに例を見ない抗議活動が展開された。試合は平成12年9月22日の決勝戦で篠原選手が、不可解な判定で破れた後、1時間もすると、まず「★★★緊急あぶないオリンピックニュース★★★」と称するホームページが開設され、署名が展開される。
 それから数時間後には「オリンピックは米国だから、抗議は英語で」ということで、英語のひな形がつくられ、判定員はフランス人だからフランス語のひな形もつくられた。そして、賛同者は自由に署名してEメールで送るひな形もつくられ、明くる日の23日の早朝にはIOCの本部には、800通を超えた抗議のEメールが届いたという。
 また米国の大手のおもちゃ企業が、自社名をドメインに使用としたところ、すでに5年以前にその名前は登録されており、ドメイン名の変更を余儀なくされた。あきらめきれない企業は圧力をかけて、裁判に訴えてもそのドメインを取得しようとしたところ、そのドメイン名を取得している業者は、大企業に圧力をかけられている境遇を世間に訴えるためにホームページを開設した。
 その反響ははなはだ大きく、その結果は数ヶ月後に大企業の株価は暴落し、企業の存続に関わるほどのダメージを受け、大企業は役員共々、自身の横暴な振る舞いに対する謝罪文を掲載せざるを得ない状況に追い込まれてしまった。
パーソナルコンピュータなどのデジタル機器の普及によって、インターネットなどのIT(インフォメーション・テクノロジー)革命が急速に進んでいる現代社会では、前に述べたような社会現象が起きてくる。
 一本勝ちしたと思えた柔道の不可解な判定も、ある企業のドメイン名ももとは個人的な問題であった。ところが、その個人的な問題でホームページを開設し情報が流れると、顔の見えない個人同士がまとまって、大きな影響力を持つようになる。
 顔の見えない大衆が、顔の見えないまま意見を共有し、企業ばかりではなく、場合によっては国家までもが、インターネット革命で転覆するかもしれない時代を迎えている。これがIT革命の恐怖である。
 実際に先般こなわれた米国大統領の予備選挙では両陣営とも、大統領候補の政策内容の善し悪しより、IT上でのイメージづくりに力点を置いていたという。
 これと同じようにIT革命が進むなかで、インターネットが新たな宗教空間を切り開きつつある現在、情報社会の最先端と、私たちの永遠の課題である祖願の達成は、いかにしてリンクするのだろうか。今後の組織活動はいかにあるべきであろうか。

 今回は龍谷大学教授生駒孝彰先生をお招きして、『インターネットの中の神々−21世紀の宗教空間−』と題して、IT化の最も進んでいるアメリカの宗教界の実状を踏まえてご講演をいただき、伝道教団としての対応を模索したいと思います。

このページのトップへ▲

Copyright (c)2001-2006 Nichiren Buddhism Modern Religious Institute. All Rights Reserved.